レストラン豆知識・世界のお正月料理

イタリア料理

Zampone con lenticchi ザンポーネとレンティッキエ
イタリアの家庭で、年明けにいただく料理といえば、レティッキエというレンズ豆の煮込み。なんでも、レンズ豆の形がお金に似ているため、金運が上がるという縁起をかついでいただくのだそうです。 そのレティッキエと一緒に食べるのが、ザンポーネやコテキーノというソーセージです。豚は、お年寄りの健康第一を祈願し、健康であれば財産が増えるという意味もあるそうで、新年に必ず出てくるのはこの組み合わせです。また、南イタリアの方ではぶつ切りにしたうなぎをフライやトマトソース煮にして食べるそうです。

韓国料理

Tteokguk トックク
韓国のお正月の食べ物で代表的なものの一つがトックク(餅スープ)です。トッククは米粉を蒸して餅つきした後、長寿の願いをこめて、ガレトッという細長い餅を薄く切って、スープで煮た食べ物です。スープの作り方は地域によって四骨、鶏骨、雑魚など多様です。大昔はキジで出しをとっていたこともあるとか。味付けも地域によって汁醤油や塩など様々。トッピングに錦糸卵、汁醤油に炒めたひき肉(牛肉)、細かく切った海苔などをのせ、ゴマ油一粒で完成。 元来は厳粛な心をもつため、餅以外は何も入れなかったといわれています。

スペイン料理

Roscon de los Reyes ロスコン・デ・レジェス
スペインではお正月明けの1月6日東方の三賢人のレジェス・マゴス(Reyes Magos)の日に、王冠の形をしたロスコン・デ・レジェスというパンを食べます。大きなドーナツ方のパン生地を王冠に模して宝石のような砂糖漬けの果物で飾った菓子パンです。時期が近づくとどのパン屋さんでも売っていて、中には小さな人形や乾燥ソラマメが入っており、人形が当たった人はパンの上にのっている王冠をかぶってその日は王様に、ソラマメが当たった人はパン代金を負担することになっています。

風習

スペインでは大晦日の夜、12時頃に各地の広場に人々が集まり、12時の鐘の音にあわせてブドウを一粒ずつ食べるという習慣があります。食べるブドウは12粒。ブドウはあらかじめ皮をむいておきますが、面倒ならスーパーでこの時期売られる年越し用ブドウの缶詰(あらかじめ皮がむいてあり、12粒入りなので便利)を利用するのも手。ただ、実際には鐘の音も結構早く、慣れない人にとっては12粒しっかり食べきるのはかなり難しいようです。

タイ料理

Kâao châe カオチェー
タイでは3つある正月のうちのソンクラーン(旧正月)にカオチェーを食べます。タイの宮廷料理のひとつで、硬めに炊いたタイ米のぬめりを取ったサラサラなお米に、ジャスミンの花で香り付けしたジャスミン水を掛けて食べる清涼感ある料理。お米を炊く行程が大変なことや、香り付けするジャスミン水、盛り合わせの食材など、とても手間がかかるので、全てのタイ料理店で食べられるわけではありません。カオチェーの起源は諸説あるようですが、一般的にはラーマ5世が猛暑の続くこの時期に好んで食べたと言われています。

ベトナム料理

Bánhtét バイン・テト
ベトナムではお正月はテトとよばれ日本と同じくおせち料理があります。バイン・テト(北部地方はバイン・チュン)と呼ばれる巨大なちまきです。バイン・テトは、ラーゾンという葉の上に、水に漬けておいた餅米をのせ、その上に緑豆餡と魚醤などで味付けをした豚肉をのせて、葉で丸く包んで茹でたもの。大量のお湯で約半日かけて茹でるために完全殺菌できるほか、包んでいるラーゾンという葉にも殺菌作用があり、日持ちのよい保存食としてテトには欠かせません。その他煮込んだお肉の冷やしゼリーや太ネギの漬物など、テトの間は主婦たちが炊事にわずらわされず、のんびりと過ごせるように日持ちする料理を旧年内に準備します